Web解析ツールと言えばGoogle Analyticsが定番ですが、他にもヒートマップなど解析にまつわる便利なツールや活用について以前にもご紹介してきました。
今回は2020年10月29日にリリースされた、Microsoft Clarityについてご紹介いたします。
無料で高機能なため、Webサイトの運用に携わる方には当記事を参考にぜひ一度お試しいただきたいと思います。

Microsoft Clarityとは

Microsoft-Clarity
Microsoft Clarity
Microsoftが提供する無料のWebサイト解析ツールです。
現在は英語版のみのリリースとなっていますが、視覚的にデータが確認できるため、設定さえ完了すれば誰でも簡単に利用できます。
Microsoft Clarityには、下記の3つのユニークな機能があります。

  • Dashboard ダッシュボード
  • Recordings セッション再生
  • Heatmaps ヒートマップ

Microsoft Clarityの便利な3つの機能

Dashboard ダッシュボード

ダッシュボード

Dead clicks

クリック領域以外の無効クリック率
ボタンやリンクがない部分でユーザーのクリックを感知するとDead clicksとして記録されます。
ここの数値が高いと、ユーザーの欲求に答えることができていないと判断できます。
実際にレコーディング画面を見ることで、ユーザーの欲求に対して不足した部分を知ることができます。
ここからUXの改善にも活用できます。

Rage clicks

短時間で繰り返されたクリック率
クリックの連打が発生したページや場所を記録しています。
クリックに反応しないWebサイトの要素であったり、ユーザーの何らかの不満や不足を測る項目になります。
ここも先程と同様にレコーディング画面を振り返り分析することで、UIの不備やバグを発見することもできます。

Excessive scrolling

過度なスクロール率
通常のスクロールよりも、高速でスクロールした箇所が分かります。
ユーザーにとってもっとも重要な情報やコンテンツはどこなのか、ページは最適化されているのかを確認しましょう。
この機能を活用して、レイアウトやサイトコンテンツの配置を再検討することも可能です。

Quick backs

クイックバック
ページに遷移したものの、すぐに戻ってしまったセッションを確認できます。
クリックはされるものの滞在時間が短いページをここから確認し、該当ページの他のセッション再生などを利用して改善点を見つけるのに役立ちます。

Recordings セッション再生

記録したセッションの動きを動画で確認することができます。

再生速度の変更や、タップ、クリック、スクロールなど動作が発生した場所までスキップすることも可能です。

上記で紹介したダッシュボードから該当のアクションがあったセッションを選んで再生することもできるので、改善の余地があるページを見つけやすくなっています。

実際に私自身も色々なセッションを確認したところ、Rage clicksなど異常にクリックが発生している一部のセッションでは、ユーザーのせっかちな行動が可視化されている印象もありました。
ユーザーの行動には何かしらの意味がありますが、必ずしも現在のコンテンツやページの不備による不満という訳でもないと感じる点も新たな気づきでした。
やはりインターネット上で多数の人に公開されている以上、Webサイトの運用者とユーザーの双方のニーズにそぐわないセッションも発生します。

とはいえ、ユーザー行動を追体験できるセッション再生機能は大いに役立つので、コンテンツを作成したあとは定期的に振り返り、ユーザーインサイトを考える切り口になります。

Heatmaps ヒートマップ

ユーザーの動きをもとに、クリックされた場所や注目を集めた部分をサーモグラフィー状に可視化したものです。
収集したデータを色や濃淡で視覚的に表しており、これによってユーザーの行動傾向を直感的に把握することができます。
クリックヒートマップ
こちらはクリックヒートマップですが、クリックとスクロールの項目があるため、ページ内でクリックを集めた箇所や、どこまでスクロールされているのかをひと目で把握することができます。
特に無料で制限なく使えるヒートマップは珍しいため、気軽に体験するにはMicrosoft Clarityは最適なツールとなります。

Microsoft Clarityの特徴

メリット

  • 無料で制限なく利用できる
  • 実際のセッションの様子が観察できる

無料ツールで実際のセッションが再生できたり、ヒートマップが使えるのは解析ツールとしてはとても魅力的です。
具体的なユーザーの行動が可視化されるため、ユーザー心理を考える目安になります。
そのため解析だけで終わらず、改善や対策など次の施策を立てやすいと思います。
Clarity フィルター
フィルター機能を使えばより細かくデータを抽出することも可能なため、使いこなせばサイト分析のお供として充分な役目を果たしてくれます。

デメリット

日本語対応していない
Chromeの翻訳機能を使えば、日本語表示もできるためそこまでハードルも高くはないと思います。
初期の設定さえしてしまえば、あとは簡単に利用することができます。

Microsoft Clarityの設置方法

まずは[settings]から、[setup]を開きます。
使用するプラットフォームを選択すると、インストール方法が表示されます。
Clarityインストール手順
今回は[Google Tag Manager]を選択
Clarity 設置コード
[Clarity tracking code]をコピーして貼り付けます。
実際にデータが反映するまで2時間程かかる場合があります。

ユーザーの追加方法

まずは管理画面上の[settings]を開き、[Team]を選択します。
こちらには既に追加されているメールアドレスが表示されています。
新たに追加する場合は、[Add team member]を選択します。
メンバー追加画面
表示されたポップアップ画面の[Email]の入力欄に、追加するアドレスを記載し[Add]ポタンで送信します。
すると、該当のアドレス宛に招待メールが送信されるため、新規ユーザーはメール内の[Join〇〇(プロジェクト名)]というリンクをクリックすると、ログイン画面が表示されるので、Microsoft・Facebook・Googleの任意のアカウントでログインすることができます。

まとめ

無料で利用できるWeb解析ツールでは、Google Analyticsが一般的ですが、この機会にClarityも合わせて利用することをおすすめします。
Web解析といえば、通常は数値でユーザーの行動を把握することが多いです。
しかし、Clarityを利用してユーザーの行動を追体験できるセッション再生を実際に見てみると、意外な気付きがあって楽しめます。
Web解析に慣れていない人でも、体感的にユーザーの行動を振り返ることができ、サイトの改善が捗るツールではないでしょうか。

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