医療や健康に関するサイトを運営している人なら 「Google 健康アップデート 」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

健康アップデートが実施された際は、多くのサイトの順位が圏外になり、悲しみにくれた運営者も多くいました。
現在もGoogleコアアルゴリズムアップデートが行われるたびに、医療・健康系のサイトは大きく順位変動することが多いです。

そこで今回は「健康アップデート」について詳しく説明していくとともに、健康アップデートの対象になったサイトに必要なSEO対策についてもお伝えしていきます。
当記事で知れる具体的な内容は以下の通りです。

  • 健康アップデートとは?
  • 健康アップデートの影響でサイトが圏外になったジャンル
  • 健康アップデート対象ジャンル(YMYL)のSEO対策
  • 健康アップデートで圏外になったサイトを復活させた実例

実際に圏外になってしまったサイトの順位を復活させた実例も紹介しますので、医療・健康系のサイトを運営していてなかなか順位が上がらないという方は、ぜひ参考にしてみてください!

健康アップデートとは?

健康アップデートは、2017年12月6日に実施された 「医療と健康に関する検索結果」のアップデート のことを指します。
健康アップデートが実施されたことで、非常に多くのサイトが圏外に飛ばされてしまい、検索結果の上位に表示されるサイトがガラッと変わりました。

ではなぜそれほどまでに、影響の大きいアップデートが実施されたのでしょうか?

実施された理由・目的

健康アップデートが実施された最も大きな理由としては、「 WELQ騒動 」が挙げられます。

「WELQ騒動」とは、大手IT企業のDeNAが運営する「WELQ」という医療情報サイトに、 誤った情報や正確性の低い情報、また著作権を侵害するような内容が多数掲載されており 、それが問題視されてサイト閉鎖まで追い込まれた騒動のことです。

この「WELQ騒動」がGoogleでもかなり問題となり、その後「健康アップデート」が 日本語の検索結果に対してのみ 実施されました。

実施された目的は、「 人の生活を左右する情報の正確性・信頼性 」を上げることです。

WELQに掲載されていた誤った情報の中には、一歩間違えば人の命に関わってしまう情報も含まれていました。
検索結果上に誤った情報が掲載されて、人が命を落としてしまうようなことがあれば、検索エンジンを運営しているGoogleの信用問題になります。

また誤った情報が記載されていることは、Googleが掲げる最も重要な哲学である「ユーザーファースト」に大きく反してしまいます。

なので人の健康や生活に大きな影響を与える情報に関しては、より正しく信頼性の高い情報を上位表示するために健康アップデートが実施されました。

健康アップデートの影響でサイトが圏外になったジャンル

健康アップデートが実施された結果、 大きく影響を受けたサイトは約60% にも及んだと言われています。

健康アップデートの影響を大きく受けたサイトは、以下のジャンルのサイトです。

  • 医療系(病院、クリニック、など)
  • 健康系(整体院、整骨院、ジム、マッサージなど)
  • 美容系(エステ、ネイルサロン、コスメ、美容室など)
  • 物販系(健康食品、健康器具など)

上記ジャンルのサイト中でも、特にアフィリエイトサイトは正確性・信頼性に欠けると判断され、多くのサイトが圏外に飛ばされていました。
またアフィリエイトサイト以外でも、情報の正確性・信頼性に欠けるサイトは順位を大きく落としました。

またその後Googleは「YMYL」と呼ばれる項目を「検索品質評価者向けガイドライン(Google General Guidelines)」に追加し、 お金や健康・政治等・人々の生活に大きな影響を与えるジャンル を扱うページに対しては、より厳しい基準を設けるようになりました。

健康アップデート対象ジャンル(YMYL)のSEO対策

健康アップデートからかなりの年月が経ちましたが、未だにGoogleコアアルゴリズムアップデートが実施された際は、YMYLに該当するサイトの順位が大きく変動することもよくあります。

この「 YMYL 」と「 E-A-T」 と呼ばれる評価基準が、現在の健康系サイトのSEO対策には非常に重要となっています。

YMYL

「YMYL」とは「YourMoneyYourLife」の略で、人 々のお金や健康など生活に大きな影響を与えるジャンル のことを指します。
健康アップデートの際は、この「YMYL」に該当するジャンルのサイトが主な対象となり、多くのサイトが圏外に飛ばされてしまいました。

Googleは信頼性の高い情報を求めていて、特に 人の生活に大きな影響を及ぼすサイト(YMYLに該当するサイト) は、信頼性が重要だと考えています。
医療系の情報は一歩間違えば命を奪ってしまうこともありますし、お金に関する情報も誤った情報を信じたユーザーが、生活できなくなるほど財産を失ってしまうことも考えられます。

「YMYL」の詳しい内容は、「検索品質評価者向けガイドライン(Google General Guidelines)」に記載されています。

E-A-T

「E-A-T」とは、 「Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trustworthiness(信頼性)」 の頭文字を取った言葉で、Googleがサイトを評価する際に重要視している項目です。
ただしサイトのジャンルによって、「E-A-T」を厳格に求められることもあれば、そこまで厳格でなくてもいい場合もあります。

「YMYL」と「E-A-T」に関しては、別の記事で詳しく説明していますので、より詳しく知りたい方は以下の記事をご確認ください。

健康アップデートで圏外になったサイトを復活させた実例

それでは実際に健康アップデートによって、圏外になってしまったサイトを復活させた例をご紹介します。

まずはどのようなサイトだったかを簡単にまとめました。

  • ジャンル:治療院
  • 運用歴:4年(健康アップデート実施時)
  • コンテンツ量:多数(2,000文字程度のブログ記事200記事以上)

圏外になってしまったサイトは治療院のサイトで、更新もかなり頻繁に行ってくれており、コンテンツのボリュームとしてはかなりしっかりとしたサイトでした。
2017年に実施された健康アップデートのタイミングでは、順位に大きな変化は見られませんでしたが、その後何回かのアップデートでよりYMYLが厳しく見られるようになると、サイトが圏外に飛ばされてしまいました。

以下が実際の順位変動です。
順位変動グラフ

赤枠部分を確認していただくと分かる通り、順位が大きく上下した後に一度圏外に飛んで、その後順位が戻ってきていることが分かります。
その後もアップデート毎に順位は多少上下していますが、圏外になってしまうということはなく、前回2021年11月のコアアルゴリズムアップデートでは、再度高い評価を受けられ1ページ目の上位まで順位を押し上げることができています。

実際に行った対策

では実際にどのような対策を行って順位を戻すことができたのか、お伝えしていきます。

実際に行った対策は、「 コンテンツの見直し 」です。

実例のお客様に関しては、サイトの更新をしっかりと行っていただいており、当時ブログ記事が200記事以上投稿されていました。
文字数も全記事2,000文字程度あり、パッと見サイトの質は高そうな印象を受けました。

しかししっかりと記事を確認していくと、以下の点で問題があることが分かりました。

  1. 記事内容の信頼性
  2. 記事の構成

記事の内容に対して、 裏付けられるような実例や論文の引用などがなく「E-A-T」の中の特に信頼性の観点で大きな問題 がありました。
また見出しタグなどが使われておらずしっかりと構成建てた文章になっていなかったため、非常に読みづらい文章になっていました。

そこで上記2点を中心に改善を行っていくことにしました。

まずは最初の順位が下がり始めた段階で、 特に問題が大きそうな記事をピックアップして非表示にする対応 を行いました。
その段階で順位が戻る傾向が見られたので、一旦経過を見守ることにしました。

その数カ月後に行われたアップデートで、順位が圏外まで落ちてしまったので、再度対策を行うことにしました。
前回の確認で、ブログ記事全体的に「E-A-T」の観点で問題があること、文章が読みづらくなっていることは分かっていました。

また記事数が多く、すべての記事を見直してリライトしていくのも、時間がかかりすぎるというデメリットがありました。
この段階で少しづつ記事を改善していっても、恐らく順位は戻らなさそうだなと言う感覚があったので、お客様に事情を説明し思い切って 全記事非表示 にする対応を取りました。

結果、全記事非表示を行った数日後に順位は1ページ目まで戻ってきました。

今回の対策を通して、やはりGoogleは コンテンツの質を重要視している んだなと改めて感じました。
「質<量」であればコンテンツを非表示にしても、順位が戻ることはないからです。

また特にYMYLの分野では、「E-A-T」を意識したコンテンツの質が重要視されています。
しかし今回のように全記事非表示にする場合は、しっかりと検討して行う必要があります。

もしYMYLに該当するジャンルのサイトを運営している方で、「なかなか順位が上がってこない」や「アップデートで圏外に落ちてしまった」という方は、まずは一度コンテンツの見直しを行うことをおすすめします。
可能であれば、内容を修正や追記するなどしてより「E-A-T」を満たした内容にするとよりです。

記事数が多すぎたり、そもそも修正やリライトでは手に負えなさそうな場合は、非表示やnoindexタグの埋め込みを検討しましょう。

YMYLジャンルのサイトでコンテンツを作成する際の5つのポイント

YMYLジャンルに関しては、特に以下の5点に注意してコンテンツを見直してみることをおすすめします。

  1. 内容の信頼性
  2. 構成
  3. 著者情報の掲載
  4. 引用
  5. 専門用語

それぞれもう少し詳しく説明していきます。

内容の信頼性

 ページ内の記載してある内容にどれくらい信頼性があるか? 」は非常に重要です。
YMYLジャンルは、Googleが人のお金や健康に大きな影響を及ぼすと考えているジャンルなので、内容の信頼性が順位に大きく影響してきます。

そこでおすすめなのは、実例を記載することです。

先程紹介した治療院のサイトも、現在は実例を元にした記事を作成してもらっていますが、元々は実例を取り扱った記事ではありませんでした。
実例を記載できれば、そこで紹介する治療の成果などの信頼性が高くなります。

可能であれば、実際に治療した人と一緒に写真を撮って記事内に掲載すると、より信頼性の高い記事になります。

また記事ごとに著者情報を掲載すると、信頼性の向上に繋がります。
記事の著者が権威性の高い人物であれば、より信頼性が高くなり、Googleから高い評価を受けやすくなります。

構成

記事をユーザーにとっても、Googleにとっても読みやすくするために、 分かりやすい構成にする ことは非常に重要です。

見出しタグを適切に利用することで、読みやすく分かりやすい記事になります。
また特にしっかりと伝えたい箇所に関しては、文字の色を変えたり太文字にしたり、網掛けをするなどするとよりユーザーに内容が伝わりやすくなります。

著者情報の掲載

 どのような経歴の人が作成したコンテンツなのかを明記しておく ことは、非常に効果的です。

例えば治療院や整体のサイトであれば、柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師などの国家資格を保有している人物が記事を作成することがあると思います、
その場合、著者が国家資格保持者だとしっかりと掲載することで、より「E-A-T」権威性を高めることができます。

引用

効果や効能を紹介するときに、それを裏付ける文献があれば 引用する ことをおすすめします。

引用元の文献の著者の権威性が高ければなお良いです。
逆に効果や効能の裏付けが取れないものに関しては、裏付けの取れる別の内容を検討するか、実例を用いて説明したほうがSEOにとっては良い影響を与えるかもしれません。

専門用語

一般の方を対象にした記事の場合、なるべく専門用語を使わずに、 伝わりやすい言葉を使う ようにすると良いです。

一般の方向けの記事の中で、専門用語が多くなりすぎると、内容を理解できずに記事から離脱してしまうユーザーが出てきてしまうからです。

しっかり読まれている記事はGoogleから高い評価を得やすく、順位にも良い影響を与えます。
また記事本来の目的は、内容をしっかりとユーザーに伝えるということだと思いますので、その点においても誰でも分かる表現で文章を作成するというのは非常に大切です。

まとめ

今回は「健康アップデート」と対象になったジャンルの現在必要なSEO対策についてお伝えしてきました。
今回の内容をまとめます。

  • 健康アップデートは、2017年12月6日に実施された「医療と健康に関する検索結果」のアップデートのこと
  • 実施された目的は、「人の生活を左右する情報の正確性・信頼性」を上げること
  • 健康アップデートで大きな影響を受けたジャンルは「医療系」「健康系」「美容系」「物販系」
  • 健康アップデート後のSEO対策で重要なのは「YMYL」と「E-A-T」
  • 順位を上げるためには、「E-A-T」を満たした内容にすることが重要
  • 記事を書く際は「内容の信頼性」「構成」「著者情報の掲載」「引用」「専門用語」に気をつけて書くとよい

健康アップデートで大きな影響を受けた「YMYL」ジャンルのサイトを上位表示させることは、現在非常に難しくなっています。

見やすく読みやすいコンテンツにすることはもちろんのこと、さらに「E-A-T」を満たすことが上位表示においてとても重要となります。
 「専門性」「権威性」「信頼性」 を意識して、コンテンツを作成することが大切です。

特に誰が書いたか?ということは、「E-A-T」を高める上で非常に重要視されています。
権威性の高い国家資格を持った人物が作成したコンテンツであれば、ユーザー・Googleからの信頼性も高くなります。

またYMYLのジャンルは専門的な内容を取り扱うことも多く、一般の方には難しい単語が多く出てくることもしばしばあります。
一般の方をターゲットにした記事であれば、可能な限り分かりやすい表現で文章を作成するとより良いです。

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